敗戦前後の記憶-3

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敗戦前後の記憶-3 溝口 浩 空襲警報発令-3   小田急線の経堂駅から数分のところが我が家だった。今の経堂からは考えられもしないが、家のまわりには里芋畑が広がっていて、新しい貸家が数件並んでいるという田園風景・・・

敗戦前後の記憶-2

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敗戦前後の記憶-2 溝口 浩 空襲警報発令―2   ところで庭に作られたこの防空壕が今から思えばお笑いで、大阪からの引越し荷物を入れてきた六尺×四尺ぐらいの木箱を、庭に埋め込んだだけのもの。屋根などは無く、しか・・・

敗戦前後の記憶-1

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敗戦前後の記憶-1 溝口 浩   70歳代もあと20日ばかりとなりました。70年以上の時空を飛び戻って敗戦前後の記憶を辿ってみましょう。暗い時代でしたが案外気楽に暮らしていたようですよ。幼少のみぎりですからね。・・・

つららの坊や-3

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つららの坊や-3 溝口 浩   朝も早くから用意された赤い炎と鉄瓶のお茶を喫しながら、至福の刻を楽しんでいた妻が何気なく見回した部屋の一隅、書架に見つけた青木新門さんの童話、2日前の出来事からの思わぬ出会いに高・・・

つららの坊や-2

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つららの坊や-2 溝口 浩   この日の集いに参加するため越中八尾駅に降り立った老夫婦を迎えてくれたのは富山のボタン雪でした。「あっちゃんもこんな雪を見たんでしょうね」妻のつぶやきと共に二人の間には早世した妻の・・・

つららの坊や-1

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つららの坊や-1 溝口 浩   「エレベーターにその男が乗ってきた時、誰も注意を向けなかった…」傍らで揺らめくローソクの炎に見守られながらの語りが静かに始まると、この日を楽しみに集った聴衆は、瞬く間に「蔭山武人・・・

節目の時

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節目の時 溝口 浩   間もなく八十歳になります。この年齢は傘寿などといわれますが突然雨男になるわけでもありません。なんでも傘の字が中国の崩し字で八と十の組み合わせに見えるからで、鎌倉時代から始まったらしい。七・・・

草津温泉異聞―7

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草津温泉異聞―7 溝口 浩 僥倖 高崎駅のホームは東京方面に向かう人で溢れかえっていた。こりゃ大変だと思ったが救いの神が現れた。なんと列車の出口のすぐ前に階段があって「どうぞどうぞ」と口を開けている、僥倖と言わずして何と・・・

草津温泉異聞―6

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草津温泉異聞―6 溝口 浩 決断と即行 車掌が回ってきた。新幹線は動いているという。仮に高崎線が動いていても上野まで2時間近くかかる。まして雪に弱い東京に近づけば動けなくなるかもしれず、動いても3時間はかかるかも。そのう・・・

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