雑俳の風景―14

溝口 浩

離れ住む子らの名記し厄払い

 

今では厄払いといえば豆まきとともに節分前夜のイメージですが桂文楽の落語「厄払い」によれば正月のイメージが強いですね。

~お家厄払いましょう厄払い、お年越しのご祝儀にお家厄はらいましょう厄落とし~、と呼び声を唱えながら家々を廻り、呼び込まれた家で縁起の良い言葉を連ねて厄を払う。わずかばかりの銭となまの大豆を家族の年の数だけもらって引き上げる。この大豆は豆腐屋に売っていくらかの銭に替るというからなまの大豆でなければならないわけです。

 

~あら目出度いな目出度いな、今晩今宵のご祝儀に目出度き事にて払おうなら、まず一夜明ければ元朝の、門に松竹、注連飾り、床に橙鏡餅~と続き、~悪魔外道が飛んで出で、妨げなさんとするところ、この厄払いがかいつかみ、西の海へと思えども、蓬莱山のことなれば、須弥山の方へ、さらありさらり~と結ぶのです。

 

高校時代だったですね、これを覚えようと夢中になったのは。家にテープレコーダーなどとんでもない時代ですから必死に書き留めて一度では書き留めきれず3回は聞きましたね。若いころに覚えたものは忘れないもので、今でもすらすらと出てきますよ。

…つづく