雑俳の風景―11

溝口 浩

中天に歳星赤し夜学の子

 

木星は真夜中のころ中天に達します。夜学を終えて家路をいそぐ若者がふと中天を見上げれば赤く輝く星。若者はそこに無限の未来に満ちた己の将来を見据えているのでしょうか。ドラマチックな人生の一場面を切り取ったつもりです。こんな場面は誰でも一生のうちで一度や二度は経験しているのではないでしょうか。それもだいたいが若い時ですね、年を取ると空なんか見なくなります。年をとっても空を見ましょう、星を眺めましょう。

 

2日の払暁、といっても日の出にはまだ多少の時間が必要です。ラジオ体操の会場である丘の上に立つと「月のピアスですよ」の声。何事かと東の方をながめればなんと三日月の下に大きく光る金星。こんなことがあるんだ、と思ったらなんと平成30年以来とか。早起きは三文の徳でした。

歳星、さいせい とは木星のことです

…つづく