草津温泉異聞―4

溝口 浩

特急草津

 

宿の車で送ってくれたバス停には多少の不安は感じても雪国の特急を信じて、15時43分発の最終便という草津2・4号にさえ乗り込めばなんとか東京までたどり着けると信じた人たちで満ちている。客の人数分だけ出るというバスは雪の中をノンストップで気楽にすいすいと進む。

長野原草津口駅の待合室は風の通りが良くて寒い。それでも30分ほど待てば暖かな指定席が上野まで運んでくれると思うからまずは一息である。

雪になるのは前からわかっていた。いつものジパング券ならもっと早い時間の特急に切り替えるところなのだが、今回はそうはいかない理由がある。今回のチケットは宿代込みで列車を変更した時には乗車券、特急券ともに新たに負担とくぎをさされている。運の波に乗るほかはないのだ。

…つづく