草津温泉異聞―1

溝口 浩

噴火の兆候?

 

草津温泉街の湯畑から狭い路地を登ったところに地蔵の湯がある。新しい白木の浴舎は今風のロッジのような雰囲気で、無料で楽しめる。寒波が来て大雪が予報されている1月22日、少し冷えてきたので湯に浸かりたいが昨日から宿で何度も湯あみをしているので浴舎の前にある足湯に浸かった。

冷え切った足にひりひりするような熱い湯を予想していたが予想を裏切ってかなりぬるい。見たところかけ流しになっているがほとんど流れていない。源泉の状態が悪くて湯量が少ないのかも、もしかしたら噴火の前兆かもしれないと冗談半分に奥方との掛け合いだがこれが案外当たっていた。

今回の宿の源泉は街中にある西の河原(さいのかわら)からの「西の湯」ともうひとつ白根山の火口、マグマに近く噴出した「万代の湯」の二系統があり「万代」とはマグマの奥深くという意味らしい。効能はほぼ同じだが万代の方が多少皮膚に刺激が強いという。両方の湯を試してみたがその違いがわかるほど私の肌は繊細ではない。

…つづく