検査入院―8

溝口 浩

 

神経心理学的検査―2

案内によれば外来の人は待合室で待機、入院している人は病室で待機。と書いてあるので、この日に何人かを集めてやるとばかり勝手に解釈していたが、どうやら一人らしい。しかも迎えに来たのが助手かなにかと思っていたらなんとこの人が先生とは。広い部屋で対面問答とは想定外だが、もうまな板の鯛を決め込むしかない。

出だしは運転免許の老齢者テストのように今日は何年何月何日ですか、とかここは何処ですか。時計を書かされて指定の時間の短針と長針を書き込んだり、動物などの絵を見せられての記憶テスト。この程度ならと気が緩んできたところでだんだんむつかしくなってくる。先生は簡単な質問に答えても「そうですね、よくできました」などと褒めたりする。このころから徐々に先生のペースにはまってきたのだが、その時点では気付いていない。すでに彼女の掌の上で転がされていたとはしばらくしてから気が付いた。

…つづく