「さんぽ道」の記事一覧

敗戦前後の記憶-5

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敗戦前後の記憶-5 溝口 浩 空襲警報発令-5     何時の頃からか、三月に東京に大空襲があるという噂がひろまって、それが原因だか知らないけれど、父母の故里大分に疎開することになった。疎開というのは・・・

敗戦前後の記憶-4

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敗戦前後の記憶-4 溝口 浩 空襲警報発令-4 従兄弟の池部雅文さんが出征して、盛大な壮行会が開かれたころから、都心への空襲が日常茶飯事となり、経堂から赤堤経由新宿方向の空の一部が、暗闇の中に真っ赤に染まる夜が多くなつて・・・

敗戦前後の記憶-3

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敗戦前後の記憶-3 溝口 浩 空襲警報発令-3   小田急線の経堂駅から数分のところが我が家だった。今の経堂からは考えられもしないが、家のまわりには里芋畑が広がっていて、新しい貸家が数件並んでいるという田園風景・・・

敗戦前後の記憶-2

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敗戦前後の記憶-2 溝口 浩 空襲警報発令―2   ところで庭に作られたこの防空壕が今から思えばお笑いで、大阪からの引越し荷物を入れてきた六尺×四尺ぐらいの木箱を、庭に埋め込んだだけのもの。屋根などは無く、しか・・・

敗戦前後の記憶-1

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敗戦前後の記憶-1 溝口 浩   70歳代もあと20日ばかりとなりました。70年以上の時空を飛び戻って敗戦前後の記憶を辿ってみましょう。暗い時代でしたが案外気楽に暮らしていたようですよ。幼少のみぎりですからね。・・・

つららの坊や-3

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つららの坊や-3 溝口 浩   朝も早くから用意された赤い炎と鉄瓶のお茶を喫しながら、至福の刻を楽しんでいた妻が何気なく見回した部屋の一隅、書架に見つけた青木新門さんの童話、2日前の出来事からの思わぬ出会いに高・・・

つららの坊や-2

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つららの坊や-2 溝口 浩   この日の集いに参加するため越中八尾駅に降り立った老夫婦を迎えてくれたのは富山のボタン雪でした。「あっちゃんもこんな雪を見たんでしょうね」妻のつぶやきと共に二人の間には早世した妻の・・・

つららの坊や-1

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つららの坊や-1 溝口 浩   「エレベーターにその男が乗ってきた時、誰も注意を向けなかった…」傍らで揺らめくローソクの炎に見守られながらの語りが静かに始まると、この日を楽しみに集った聴衆は、瞬く間に「蔭山武人・・・

節目の時

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節目の時 溝口 浩   間もなく八十歳になります。この年齢は傘寿などといわれますが突然雨男になるわけでもありません。なんでも傘の字が中国の崩し字で八と十の組み合わせに見えるからで、鎌倉時代から始まったらしい。七・・・

草津温泉異聞―7

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草津温泉異聞―7 溝口 浩 僥倖 高崎駅のホームは東京方面に向かう人で溢れかえっていた。こりゃ大変だと思ったが救いの神が現れた。なんと列車の出口のすぐ前に階段があって「どうぞどうぞ」と口を開けている、僥倖と言わずして何と・・・

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